大学受験は英語力で差がつく時代|主流の年内入試も英検で有利に!

近年、大学入試の形が大きく変わりつつあるのをご存じでしょうか?これまでは年明けに行われる「一般入試」が主流でしたが、近年では総合型選抜や学校推薦型選抜といった、年内に進路が決まる「年内入試」が増え、利用者が半数を超えています。
年内入試では、学力試験だけでなく「主体性」「課外活動」「コミュニケーション能力」など、より多角的な力が評価されており、なかでも特に注目されているのが英語力です。そして、その英語力を具体的に証明する手段として、英検などの英語資格試験が多くの大学で重視され、英検上位級の取得が有利に働くケースが年々増えているのです。
本記事では、大学受験のトレンドや、英語資格のなかで英検がなぜ注目されているのか、大学受験での優遇パターン、そして効果的な対策法までを詳しく解説していきます。

大学受験で利用者が増加している「年内入試」とは?
大学入試といえば「1月の共通テスト、2~3月の学校別試験」が一般的でした。しかし近年、年内に進路が決まる「総合型選抜(旧AO入試)」や「学校推薦型選抜」を利用する受験生が増えており、令和6年度は半数以上の受験生が年内入試で入学しています。
年内入試が拡大する理由とその背景
以前は「限られた受験生が利用する」イメージだったAO入試や推薦入試ですが、近年なぜ利用者が増えているのでしょうか。その背景には、以下のような理由があります。
- ・文科省の入試改革により、学力偏重から個性重視へと変わった
- ・大学が多様化・国際化社会に適応出来る人材を求めるようになった
- ・少子化やコロナの影響により、入試の形が多様化した
年内入試には受験生の個性や能力を見極める「スポーツ推薦」「有資格者推薦」などがあり、出願時点で受験生が絞られるため倍率が下がることも人気の理由となっています。
年内入試で重要視される英語力
総合型選抜や学校推薦型選抜では、「調査書」「志望理由書」「課外活動実績」「面接」「小論文」などが評価の中心です。学科試験の成績だけでは測れない、受験生の個性や能力を評価するための選抜方法が採用されています。
なかでも、最近は特に英語4技能(読む・書く・聞く・話す)の総合力が重視される傾向です。外国語や国際関係の学部・学科に限らず、経営系や理系に至るまで、多くの大学で「英語の外部検定スコアの提出が出願条件」になるケースが増えています。
実際に「有資格者推薦」では、「英検準1級以上」「英検CSEスコア2200以上」などを出願資格にしている大学もあります。

一般入試の内容も変化している?
一般入試でも、2021年度から導入された「新大学入試制度」で、大学入学共通テストの内容が変更されました。大学入学共通テストは、国公立大学だけでなく、私立大学や年内入試でも受験を課す大学が増えています。ここではその変更点をみていきましょう。
一般入試でも英語試験がリニューアルされている!
「新大学入試制度」では、受験生の実用的な英語力を測るため、大学入学共通テストへの外部検定試験の導入が検討されていました。最終的に導入は見送られましたが、大学入学共通テストの内容は大きく変わりました。それ以前に実施されていた「センター試験」との違いは、リスニングの配点です。
- ・センター試験:筆記200点+リスニング50点
- ・大学入学共通テスト:リーディング100点+リスニング100点
このように、「4技能」ではないものの、「2技能」のバランスを測る配点にリニューアルされています。
一般入試で優遇される英語の外部検定
旺文社 教育情報センターによると、2025 年の入試で英検などの英語の外部検定(外検)を採用した大学は 478 大学で、国公私立大全体の63%にのぼります。
参照:外部検定利用入試 2025 年は 478 大学! 私立大の一般選抜で利用が拡大
外検のスコアを採用する大学が増えている背景には、以下の理由が考えられます。
- ・4技能をバランスよく測れる試験は、大学独自で作成するより外検利用が有効
- ・外検には膨大な受験データがあり、受験生の正確な英語力を証明できる
- ・外検は受験機会が複数回あり、入試の一発勝負を避けられる
一般選抜で大学が外検を採用し始めた 2015 年からの 10 年間、採用大学数は毎年増え続けています。外検はすでに「加点要素」というより「必須条件」になりつつあるといえるでしょう。
大学受験で一番採用率が高いのは英検!
大学受験で採用されている外部検定(外検)は多数存在し、英検・TEAP・GTEC・IELTS・TOEFL・TOEIC・ケンブリッジ英検などがあります。そのなかで現在一番多く採用されているのは英検で、採用率は約9割です。
参照:外部検定利用入試 2025 年は 478 大学! 私立大の一般選抜で利用が拡大
英検は試験内容が高校の学習指導要領に沿っているため、高校で身につけた英語力を正確に測れます。また4技能のバランスが重視されたスコアであることも多くの大学に選ばれている理由です。さらに受験料や受験機会など、受験しやすい条件になっていることも一因でしょう。
英語外部検定の優遇パターンは?
大学入試優遇制度や外部検定利用入試では、大学指定の検定級やスコア、英検であれば英検級や英検CSEスコアの提出で、以下のような優遇措置を受けることができます。
区分 | 内容 |
---|---|
学科試験免除 | 大学が指定する検定級やスコアの提出で、英語の学科試験(もしくはその一部)が免除される。 |
得点に加点 | 検定級やスコアに応じて、入試の総合点に点数が加算される。 |
得点に換算 | 検定級やスコアに応じて、英語学科試験の得点に換算される。 |
出願条件 | 出願時に大学が指定する検定級やスコアの提出が必須。 |
優遇・合否参考 | 出願書類の評価や合否判定で、検定級やスコアの保有者が優遇される。 |
得点換算は一般入試で最も多く、出願条件は推薦入試で最も多く採用される傾向にあります。
大学受験で有利になるのは英検2級・準1級!
大学入試で有利になる英検級は、2級以上とされています。準2級を採用している大学もありますが、優遇する大学が大幅に増えるのは2級からで、難関大学や国際系の学部では準1級以上が求められています。
各英検級の目安は以下の通りです。
英検級 | レベルの目安 | 英検CSEスコア合格基準 |
---|---|---|
準2級 | 高校中級レベル | 1728 |
準2級プラス | 高校上級レベル | 1829 |
2級 | 高校卒業(大学入試)レベル | 1980 |
準1級 | 大学中級レベル | 2304 |
参考:英検CSEスコアとは?合否だけでなく注目のシステムを徹底解説!
2級のレベルが高く、合格が難しいことから、2025年度より準2級プラスが新設されました。新設級のためまだ採用データはありませんが、今後準2級プラスを採用する大学が増える可能性もあるでしょう。また、合否にかかわらず、英検CSEスコアの提出により優遇する大学も増えています。
大学受験を有利にするには英検をどう取得する?
現在大学受験は、年内入試でも一般入試でも英語力が大きなカギとなっています。そして英語力の証明として外検、なかでも英検の優位性について解説してきました。
ここからは、英検取得について、具体的な取得時期や学習法についてみていきましょう。
英検は高校2年生以降早めの取得を!
英検には、年に3回(6月・10月・1月)実施される「従来型」と、ほぼ毎週土日に実施される「S-CBT」があり、併用すると1年間に最大9回まで受験可能です。
また、大学が指定する有効期限(受験後2年以内が一般的)があるので、入試の出願時期と英検の合格発表(受験の約1ヶ月後)を確認して、受験時期を決めるとよいでしょう。
年内入試は出願時期が早いので、3年生の6月までに受験する必要があります。一般入試の場合は3年生の10月か1月の結果が利用可能です。複数回受験する可能性も考え、また入試本番が近くなれば受験勉強に時間を割けるよう、英検は「高校2年生以降、なるべく早めに取得」するのが理想です。
参考:英検を大学受験で利用するには?有効期限と準備期間をチェック!
効果的に英検取得を目指せる「コーチング」とは?
英検には特有の問題形式があり、特に2024年度のリニューアルで配点が高くなったライティングや、2次試験の面接には十分な対策が必要です。特に準1級は内容が抽象的で、自己表現力や論理力も必要とされるので、英語力の強化だけでは合格は難しいでしょう。
そこでおすすめの学習法のひとつが「コーチング」です。コーチングとは、専任コーチがマンツーマンで合格までの学習をサポートするサービスです。英検特化のコーチングなら、英検の特徴を熟知したコーチが個別に学習計画を作成し、上位級取得のカギとなるライティングの添削指導や模擬面接まで対応してくれます。忙しい受験生でも、短期間で効果的に目標級の取得を目指せる学習法です。
参考:英検突破に効く!コーチングの3つの強み|対策塾との違いも解説

まとめ
大学受験において、英語力は「差がつく」だけでなく、「勝敗を分ける」力となっており、英検はまさに「受験のパスポート」となりつつあります。受験生の英語力を明確に証明できる資格として、英検2級や準1級の合格や高スコアの取得は、入試において大きな武器となるでしょう。
ただし、高校生が英検2級以上を取得するには、学校や受験対策塾での英語学習だけではカバーしきれない部分も多いため、必要に応じてプロの手を借りることも有効です。
