【TOEIC600点】がなぜ取れない? 押さえるべきポイントとレベルを解説
「TOEICで "とりあえず" 600点以上を取りたい!」
という方はとても多いです。
「履歴書やエントリーシートに書きたい」「社内の目標にされてしまった」「趣味で」など、理由は様々でしょう。
しかし、「TOEIC600点というのはどんなレベルなのか」「どうすれば取れるものなのか」、いまいちピンと来ないという方もまた多いようです。
この記事では、TOEIC600点のレベル・難易度を英検と比較しながら見ていきます。そのレベルで何ができるのか、また、目標達成のための勉強方法についても紹介します。
TOEIC600点を目指す、あなたの参考になればと思います。
※この記事内では「TOEIC Listening & Reading Test」を指して、「TOEIC」と呼んでいます。
TOEIC600点のレベルとは?
まずは、多くの方が目標とする「TOEIC600点」とは何者なのかを確認しましょう。
履歴書に書けるのは600点から
一般的に、履歴書やエントリーシートに記載できるTOEICの点数は600点以上と言われています。それに満たない場合は書かない方がいい場合もあります。
以下は、TOEICを実施しているIIBCによるデータです。
新入社員 TOEIC L&R 最新データ 2019年度
新入社員のTOEICスコアは、600点前後が多いことが分かります。
英語が得意であることをアピールしたいなら、「平均よりも上」であることを示したいところ。
「とりあえず600点」が目標とされることが多いのはこのためです。
TOEIC600点は「英検2級」くらいのレベル
日本で生活してきた場合、英語の試験=英検というイメージが強いと思います。
なので、その英検の級とTOEICの点数を照らし合わせてみました。すると、以下のようになります。
- CEFR
- TOEIC
- 英検
- C2
- 算出不可
- 算出不可
- C1
- 945~
- 1級
- B2
- 785~945
- 準1級~1級
- B1
- 550~785
- 2級~準1級
- A2
- 225~550
- 準2級~2級
- A1
- 120~225
- 3級~準2級
- A1未満
- ~120
- ~3級
【参考】 実用英語技能検定公式ページ ・ TOEIC 公式ページ
左側の「CEFR」というは、今回のように違う種類の試験を比較するときに使われる指標です。
表を見ると、TOEIC600点は英検2級~準1級レベル(= CEFR B1)だと分かりますね。
(先ほど、履歴書に書けるTOEICの点数は「600点~」と言いましたが、英検の場合は「2級~」が一般的です)
試験の形式が違うのでピッタリ同じとはいえませんが、レベルのイメージとしては「TOEIC600点 ≒ 英検2級」で問題ありません。
TOEIC600点で何ができるか
TOEIC600点、または英検2級を持っている人というのは、具体的にどんなことができるのでしょうか?
先ほど出てきたCEFRのレベルから確認してみましょう。
CEFR B1(TOEIC600点レベル)は、以下のように定義されています。
仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
引用元:British Council
日常生活を送るのには問題ないということが分かります。例えば、海外旅行に1人で行くのには困らないレベルですね。
TOEIC600点を取るためには?
履歴書に書いてアピールできるし、1人で好きな場所に行ける。
TOEIC600点の英語力、欲しいですね!
では、その600点を取るのには何が必要なのでしょうか。まずは、TOEIC公式サイトのデータを元に考えてみましょう。
得意なこと・苦手なことを知る
TOEICは「リスニング495点」「リーディング495点」の990点満点の試験です。
600点の場合は単純に計算すると、各セクションでおよそ300点を取ることになります。
TOEICの公式サイトの「レベル別評価の一覧表」を参考に、TOEIC600点(リスニング300点・リーディング300点)の人は、「何が得意で何が苦手なのか」を見てみましょう。
- リスニング
(370~275点) - 短い会話文においては、難しい単語が無ければ特に問題ありません。長い文についても繰り返し言及されたり、かんたんな言い回しであれば理解できるレベルです。
ですが、単語が難しい場合は全体の長さにかかわらず苦戦する場合が多いようです。
- リーディング
(320~225点) - 基本的に文法で苦しむことは少なく、どちらかと言えば語彙が弱点のようです。
いずれのセクションでも「難しい単語が苦手」と言われているのが分かります。TOEICにも「よく出る単語」というのは存在しますから、まずはそこから攻めていくのもいいでしょう。
また、文法に関しては「一般的には」大丈夫な人が多いようですが、もしあなたに「文法が特に苦手だ」という自覚があるなら最初に手を付けるべきです。
平均点から難易度を知る
さて、今度は各セクションの平均点を見てみましょう。2020年10月~2021年2月のデータです。
- 実施回
- Listening
- Reading
- Total
- 第263回
- 337.7
- 286.8
- 624.5
- 第262回
- 339.3
- 287.8
- 627.1
- 第261回
- 334.6
- 278.9
- 613.6
- 第260回
- 339.8
- 281.7
- 621.5
- 第259回
- 338.8
- 283.1
- 621.8
- 第258回
- 336.5
- 284.6
- 621.1
- 第257回
- 332
- 277.4
- 609.4
- 第256回
- 336.1
- 276.6
- 612.6
- 第255回
- 336.6
- 284.2
- 620.8
- 第254回
- 338.7
- 284.8
- 623.5
【参考】 TOEIC 公式ページ 公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧
リスニングの方が平均点が高いようです。TOEICは、リスニングの方が点数を取りやすい(または得意な人が多い)のです。
逆に言えば、多くの人が苦しむのはリーディングの方であると分かります。
テクニックよりも、まずは基礎
TOEIC600点を目指すあなたに必要なのは、しっかりとした英語の基礎です。
一口にTOEIC600点の人と言っても、「リーディング300点・リスニング300点」というバランスのいい人ばかりではありません。
例えば、先ほど「リスニングは点を取りやすい」と言いました。つまり、「リーディング200点・リスニング400点」のように、各技能に差がある受験者が多いのです。
TOEICにも「よく出るパターン」「クセ」というものは存在し、それを知ってテクニックだけである程度点を上げることは可能です。特にリスニングの場合はそれが効きます。効いてしまうのです。
人によってはそれだけで一気に点数が上がります。だから平均点も、リスニングの方が高いのです。
ですが、テクニックだけでスコアアップしても「基礎」の部分が無いと、その先は何度試験を受けても同じような点数を行き来することになります。700点、800点を目指す際にとても苦しむことになります。
「基礎を固めて600点を取る」ことと、「テクニックだけでどうにか600点を取る」こと。
この2つの差は大きいものです。その後の学習が楽になるのは、もちろん前者です。地道ではありますが、まずは基礎を固めましょう。
基礎を固めるための英語学習をする際は、以下の2点に気を付けてやってみてください。
- 4技能をバランスよく強化すること
- 英語学習を習慣化すること
1. 4技能をバランスよく強化する
苦手な部分には特に力を入れ、でも「それだけ」にならないように注意してください。
例えば、リスニングが苦手だからという理由で「四六時中洋楽を流す」だけではあまり効果が得られません。聞き取れないのはスピードへの慣れが足りないことに加え、知っている単語が少なすぎる場合も多いのです。
「読む・聞く・書く・話す」の力(4技能)は、バランスよく伸ばしていきましょう。
TOEIC(R&L)には、自由英作やスピーキングのパートはありません。しかし「書く・話す」の能力が低すぎると、「読む・聞く」の能力を伸ばす際に必ず足を引っ張ります。
2. 英語学習を習慣化する
毎日少しずつ勉強していく、つまり習慣化することも大切です。
「一気に」ではなく「20分間を数セット」のようにすれば、少なくとも毎日2時間程度は勉強時間に当てられる場合が多いのです。
特にTOEICのリーディングは、英語力はもちろんですが集中力もカギです。
「決まった時間にしっかり集中する」クセがついていれば、それだけでもかなり有利です。
基礎を固める「英検2級」の勉強もおすすめ
TOEIC600点を目指して勉強するからには、専用の参考書や模擬テストなどを使うことが多いでしょう。
ただ、TOEICというのは目指す点数は人それぞれでも、出題される問題、つまり試験のレベルは共通です。990点満点を目指すハイレベルの人も、600点を目指すあなたも同じ問題を解くのです。
「満点を目指す人用の問題は、(今は)解けなくてもいい」とはいえ、明らかに自分にとってレベルが高すぎる問題が大量に並んでいる状況は、精神的にもツライものがあり、ただただ負担がかかります。
また、基礎がない状態でそのような問題にチャレンジするのも効率的ではありません。
TOEICではそのような状況に耐えなければならない一方で、例えば、英検の場合は「級」でレベルが分かれています。
英検2級を取得したいなら「2級の勉強をして」「2級レベルの試験を受ける」ことができますよね。
TOEIC600点は、先に挙げたように英検だと2級くらいのレベルです。
そして、英検というのは4技能(読む・聞く・書く・話す)がバランスよく取り入れられた試験でもあり、しっかりとした英語の基礎を培うには最適な試験です。
あなたがもし、「TOEIC600点取得を目指しているけれども、どうにも壁が越えられない」という状態の場合は、まずは英検2級を取得し英語の基礎を固めることもおすすめです。
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